静脈瘤治療
下肢静脈瘤について
下肢静脈瘤とは?
下肢静脈瘤って何?

下肢の静脈がぼこぼこ浮き出てくる病気です。
初めのうちは静脈が浮き出ているだけで症状はありませんが次第に脚がむくんだり、かゆくなったりといった症状がでてくることがあります。
他にだるい、重い、脚がつるなどの症状が出たり、また、静脈瘤に炎症を起こして血栓ができると痛みが出たりします。進行すると皮膚に湿疹ができたり、茶色くなったり、更に進むと潰瘍ができることもあります。
命にかかわることはまずありませんが、症状のために快適な日常生活を送ることができなくなったり、脚を出して歩けない、温泉やプールに行くのが気が引ける、など生活の質を下げてしまう病気です。
静脈瘤で生じることがある症状 | 静脈瘤では生じない症状 |
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脚がだるい、重い 痛い(静脈瘤のある所) かゆい むくむ 寝ている時脚がつる 血管がぼこぼこ浮き出る 皮膚が茶色くなる、湿疹ができる 出血しやすい 脚に熱感がある |
しびれる 足が冷たい |
静脈って何しているの?
下肢の静脈は組織で使われた血液を心臓に戻す働きがあります。
心臓から送り出された酸素を多く含んだ血液は体の臓器や筋肉などの組織で使われて、酸素が減って二酸化炭素が増えた血液が静脈を通って心臓に戻ります。
重力があるのにどうやって下から上に血を上げているの?
これにはいくつかのメカニズムがあります。

(1)動脈の圧力
一つ目は、動脈の圧力です。後ろから押されて上がります。

(2)筋肉ポンプ
脚を動かすと筋肉が収縮して静脈を圧迫し、たまっていた血液が上に上がっていきます。
「脚は第二の心臓」と言われる由縁です。

(3)呼吸による陰圧
吸気時に胸腔が陰圧になります。
その陰圧にむかって(圧の低い方へ)血液が流れます。

(4)弁で逆流させない
静脈の中には弁という膜のようなものがついています。
血液が下から上に流れるときには弁は開きますが、上から下へ力がかかると閉じてしまい血が下がらないような仕組みになっています。
弁が壊れて静脈瘤ができる


それでは、どうして静脈瘤ができるのでしょうか。実は正確な原因は分かっていません。
静脈の中についている弁が何らかの原因で壊れて血が押さえられなくなり、血が下がってしまい、壁がふくれて静脈瘤ができるといわれています。
静脈の壁が広がってしまうのが先でそのために弁が合わなくなるともいわれています。
静脈瘤になりやすい人
下肢静脈瘤は男性より女性に多く、また、女性では出産の回数が多い人に多くみられる傾向があります。
調理師、美容師、教師など立ち仕事の人にも多く見られます。
年齢とも関係し、加齢とともに頻度が増加します。
そのため、弁の壊れる原因として女性ホルモン、物理的な力、遺伝、組織の変性などが挙げられています。